【アルムナイ入門】人は何月に会社を退職するのか?

2017年12月15日

前回の「【アルムナイ入門】退職の種類とその定義を復習」は、(1)ひとくちに「退職者」と言っても、辞め方は十人十色/ケースバイケースなので、(2)企業が「アルムナイ・リレーション」を考える際、「退職者」を一緒くたにとらえるのではなくセグメント分けする必要があり、(3)そのセグメントの一つである「退職の種類とその定義」について確認しておこう、というテーマでお送りしました。

今回、再考するテーマは退職の時季。つまり、「人は何月に会社を退職しているんだろう?」というものです。退職予測も鑑みて、漠然とした印象ではなく、データで確認してみましょう。

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リテンションでもアルムナイ・リレーションでも重要な退職時期

人間は思いのほかカレンダー(世の中の動きが集約されたもの)に影響を受けて行動します。だからこそ、人事施策を考える際、たとえば、「企業がアルムナイ・リレーションを構築するとしたら、どの時期にどんなことをやればいいの?」「そもそもリテンションを考える際に、考慮すべき時期はいつなの?」といった疑問が頭をよぎります。

退職予測というと、「節目」「ボーナス」などの要因が浮かぶので、皆さんそれぞれ漠然とイメージはあると思いますが、印象と事実はえてして違うもの。そこでファクトを探してみたところ、意外に一目でわかるものがありませんでした。それなら、DIY=アルムナビ編集部でまとめるしかない、ということで、各種データに当たりました。

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人は何月に会社を辞めるのか?

というわけで作成したグラフがこちら。最終的にもとにしたデータは、「雇用保険資格喪失者数(一般被保険者)(平成8年4月~)」のうち4年分です。

最初に当たった、東京都労働局「一般職業紹介状況(P.7 新規一般常用求職者の様態別推移)」や、厚生労働省「一般職業紹介状況」・「長期時系列表」における「求職者の様態別推移」は、仕事を「探し始めた」タイミングであり、辞めた時期までは特定できないため、今回は、雇用保険の資格喪失のタイミングを「退職」のタイミングととらえることに(厳密に言えば、雇用保険に入っていない人は含まれないということ)。

雇用保険資格喪失者数(一般被保険者)(平成8年4月~)」をもとにアルムナビ編集部にて作成

この「雇用保険資格喪失」のタイミングは、4月が断トツで多く、10月・1月に山があるようです。つまり、その前月に会社を退職しているということで、「人は何月に会社を辞めるのか?」という疑問の答えは、3月を筆頭に、6月・9月・12月に退職するタイミングがあるということに(つまり、印象と事実にそれほど差がなかったとも言えます)。

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退職時季と節目の考察

やはり年度末(FY)である3月(4月喪失)は、出会いと別れの季節と呼ばれるにふさわしい結果です。年度末という節目、人事異動のタイミングなどの会社要因、子どもの入学・卒業などのプライベート要因、どちらも、もしくは複合的にも考えられることは想像に難くないものです。なにげに4月(5月喪失)も多いですが、3月末ターゲットで退職する予定が様々な事情(有休消化含む)でちょっと延びたパターンでしょうか。

一般的には、年末年始で家族や友達に会うことが、人生を考えるきっかけ、変化へ第一歩を踏み出すきっかけとして大きいというのは言われており、そこから3月末を目処に考えるケースも多いのでしょう。

6月(7月喪失)・9月(10月喪失)・12月(1月喪失)に山があるのは、当然四半期という区切りで、中でも9月(10月喪失)は上半期末という、年度末に次ぐ大きな節目になっているのでしょう。一方で、10月(11月喪失)・11月(12月喪失)が年内最も退職が少ない谷になっているのは、冬のボーナスを見越して、12月(1月喪失)までは残るという行動を選ぶゆえでしょう。一方、夏のボーナスはそれほど影響を与えないのでしょうか、7月(8月喪失)・8月(9月喪失)はそれほど谷を形成してはいません。公務員は夏と冬の賞与で冬が多い傾向、一般企業では夏と冬でそれほど差がない傾向というのはありますが、金額はさておき賞与の存在にプラスして、やはり年(CY)が一つ増えるというのは大きな節目を感じさせるのかもしれません。

「平成」の終わる2019年3月という大きな節目にはまた違った傾向が見られるのでしょうか(ソフトウエアエンジニアの皆様はしばらく年度またぎ+年号変更対応に追われて動けないと思いますが……)。日本の「働き方改革」のターニングポイントとなる可能性もありうる、そんな節目になるのかもしれませんね。