フィリピン有数のクラファンイベント「Spark Fest 2018」潜入記

2018年03月08日

「アルムナビ」を運営するハッカズークには、東京にくわえて、フィリピンのケソン市にも拠点があります。そしてハッカズーク・フィリピン法人を社長として率いるPaoloたちが経営しているもう一つのスタートアップであり、フィリピン有数のクラウドファンディングサイトとして名高い「The Spark Project」が主催する「Spark Fest 2018」が3月3日土曜日に開催されたので、潜入して来ました。

Spark Fest 2018

ハッカズーク・フィリピン法人社長のPaoloと、取締役のRJがCo-Founderとして携わるThe Spark Projectは、2013年創業のフィリピン有数のクラウドファンディングサイトで、今回のSpark Fest 2018も通信大手のGlobe社と共催するなど成長著しい企業です。

The Spark Projectのこれまでの軌跡を見ると、一つの会社の成長にとどまらず、フィリピンにおいてクラウドファンディングというコンセプト自体を浸透させ、成長させてきたThe Spark Projectチームや、クラウドファンディングコミュニティの想いや努力が感じられます。

Facebook社スポンサーのもと、テレビ番組の司会やモデルで有名なビアンカ・ゴンザレス氏が登壇したパネルディスカッションはとても盛り上がったセッションの一つでした。それは単にビアンカ氏が有名人だからというわけではなく、彼女がクラウドファンディングと相性の良い社会貢献事業に深く関わっているからです。ちなみに、ビアンカ・ゴンザレス氏はアテネオ大学出身のアテネオ・アルムナイです。

左からシェリー・エスゲラ氏、アナ・オポサ氏、ビアンカ・ゴンザレス氏

ビアンカ氏が一緒に登壇したのは、環境保護NPO法人「Save Philppine Seas」のアナ・オポサ氏と、ICRC (赤十字国際委員会) のシェリー・エスゲラ氏で「Creating Social Movements for Good」というテーマのディスカッションでした。この三人は一緒に様々なプロジェクトに取り組んでいて、ビアンカ氏はテレビ番組のホスト等としての有名人、アナ氏は小規模のNPO法人、シェリー氏は世界で1万人を超える大きな組織と、それぞれ異なる立場から社会の課題を解決して社会貢献をするムーブメントを起こすことに取り組んでいます。価値のあるムーブメントを生み出すには、ビジョンを語り、共鳴してくれるファンを作り、個人や企業だけでなく、NPOのような団体や行政など、バックグラウンドや立場の異なる様々な人や組織を巻き込むコレクティブインパクト(Collective Impact)が重要であることを、自身の経験も混ぜて話をしていて、とても面白いセッションでした。社会貢献事業にクラウドファンディングを活用したいと考えている聴衆からも多くの質問が出ていました。

別のセッションでは、クラウドファンディングという言葉自体がフィリピンではほとんど知られていないクラウドファンディング黎明期からThe Spark Projectを活用して資金を調達したプロジェクト実行者たちが登壇。「The Spark Project アルムナイ」としてのパネルディスカッションがあり、ハッカズーク・フィリピン法人社長のPaoloもパネルの一人として登壇しました。

登壇者全員が口を揃えて言っていたのは、このように新しいコンセプトが広がって、新しいサービスが誕生する際の、「テクノロジー」だけではなく「サポート」の重要性です。たとえば、登壇者の一人は、資金調達面ではKickstarterで海外の支援者を中心にすでにそれなりの成果をあげていました。しかしながら、資金調達よりも重要と考えていたコミュニティを構築するという点においては苦戦していました。そこで、The Spark Projectのチームメンバーと一緒になって、マーケティングやリワードの企画はもちろん、実行者の想いやストーリーを支援者たちに正確に届けることで、クラウドファンディングを通して本当に達成したかった、コミュニティ構築を実現しました。

少し話は逸れますが、コンセプト自体の黎明期という意味ではAirbnbの創業期の話は有名です。一部のアーリーアダプターたちの間では、新しい「民泊」というコンセプトが広がり、サイトへの登録もあるものの、なかなか創業メンバーたちが思っているほどの成長をしない時に、掲載されている写真が魅力的でないことが問題の一つだと考えました。そこで創業メンバーたち自身がホストを一軒一軒回って、魅力的な写真を撮り、さらにはその街の写真なども撮って掲載したことで、民泊はただのホテルの代替ではない大きなコンセプトとなったのです。

The Spark Projectに話を戻すと、プロジェクトの数を増やすことよりも一つひとつのストーリーを伝えることが重要だと考えた創業メンバーたちは、技術面でサイトでのプロジェクト登録を簡単にすることだけでなく、一つひとつのプロジェクトを精査して、プロジェクト実行者たちと密にコミュニケーションを取り、それぞれに合ったサポートをしてきたそうです。フィリピンという市場に合ったフィリピンらしいクラウドファンディングの普及において、コンセプトや描かれた世界観に共感した実行者であり協力者であるこのパネルディスカッションの登壇者たちや、それに応えたThe Spark Project創業メンバーたちの貢献はとても大きいと感じました。

アルムナイ・リレーションは日本ではまだ新しいコンセプトですが、私たちも「アルムナビ」を通じて多くの協力者に出会っています。協力者の皆さんと、日本という市場に合った日本らしいアルムナイ・リレーションの普及に努めていきたいと思います。

Spark Fest 2018 運営チームの皆さん