【ALUbum】Google アルムナイ: 林勝明さん

2019年02月05日

PROFILE

ZAS株式会社 代表
林 勝明 

2007年、Googleに新卒入社。入社後は広告営業企画やビジネス開発、アライアンス業務に従事。昨年2018年にGoogleを退職後、「人がリアルで集まる場所を最適化する」を掲げ、ZAS株式会社を起業し、WEBアプリと実際のイベント運営ノウハウの両軸から展開している。

さまざまな企業のアルムナイをその想いとともにご紹介していく企画「アルムナイ・アルバム(ALUbum)」。今回は、Googleアルムナイの林勝明さんにご登場いただきました

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Googleの入社の経緯

 

2007年のボストンキャリアフォーラムにて、Google入社後上司となる方にたまたま出会ったんです。その当時はビジネス系の職を探していたためGoogleが何か自分と関係のある会社だとは思っていなかったのですが、話を聞くうちに既存の広告ビジネスを変革しようとしている画期的な会社だと思い、応募することにしました。

さらに調べているうちに、当時は違法性の塊だったYouTubeを巨額で買収したり、一見何の収益も生まないようなGoogle EarthやMapに多大なリソースを割いていたり、今までありえなかったような反骨精神むき出しのことばかりしている最高すぎる会社だなと思い、本気で面接に臨もうと思いました。

実際の面接では、自作の履歴書フォーマットをつくり、デザインや書式などをGoogle検索結果に寄せたものをネタで見せたら予想以上に気に入ってくれたり、『こんなGoogleサービスあったらウケる!』みたいなイラストネタ帳雑談に楽しく付き合ってくれたりと、6回くらい面接があったのですが、まるで楽しい飲み会みたいでした。ちなみにその時のネタのひとつ『Googleトイレ』は未だにビジネス的な可能性がかなりあると思っています(笑)。

 

Google時代(2007~2018)に携わった仕事

 

Googleでの仕事では、会社の中での新しい分野に積極的に取り組んでいました。入社当初は広告営業企画という部署で、当時新しくß版が始まったガラケー向けの検索広告の拡販施策を担当しました。その後はGoogleの検索システム/広告を携帯キャリア様などのパートナーに導入/ 最適化するようなビジネス開発、またGoogleツールバー / ChromeブラウザなどをPCメーカー様の製品とバンドルするような形で検索シェアを広げる協業施策、その後はAndroidのプレゼンスを拡大していく施策の担当などを経て、最後はGoogle Home / Pixel などの新しいハードウェア事業のビジネス開発に携わりました。

法人パートナー関係が多く、公表できるものが多くないのですが、協業 / パートナーシップの仕事は、「パートナー」「ユーザー」「プロダクト」のエコシステムのバランスが難しく、それがハマって成果が出たときには大きな達成感を感じました。
また会社のスケールが急激に大きくなる中で、一時期は自分なりの工夫が出しにくくなったなと思うようなこともありました。けれどもAndroidやハードウェアというGoogleとしても新しい『リアルの領域』の立ち上げに携わっていくなか、実際の売り場などの現場で発見したヒントや人とのつながりのおかげで、施策としても大きな成果がだせたような経験は今取り組んでいることにも活きています。

また当初は外資系企業のアメリカンな雰囲気を想像して入社したところ、広告代理店やリクルート出身の先輩たちが多い部署だったこともあり、「お酒のつぎ方」や「シャツの選び方」まで教えてもらえたのは驚きでしたが、その後様々なパートナー様と接していくことになったため、とても為になりました。

一番の思い出は、Google Docs などが既にあった中、あえての手書きで毎日日報を書いて、しかも関連部署の方々から手書きのお返事をいただくという交換日記です (笑)。普段はほとんど手書きをすることもなく、字も自分で読めなくなるほど汚いのでかなりの辛いスタートでしたが、そこまでのトレーニングを用意してくださった当時の上司とトレーナーには一生頭があがりません。いまの新しい事業を構想していくなかで、結局『手書き/メモ書き派』に圧倒的に戻ってきてるので、いろんな因果と感謝を感じています。直感的なヒラメキや極度に集中して考えるためにはやはりアナログ独自の強さや魅力がありますよね。ちなみにこの日記は未だに現物を持っています(笑)。当時は私がビジネス系新卒の第一号だったようで、そういったトレーニングも外部に委託することなくチーム内で試行錯誤で考えてくださったということで本当に有難かったです。

そんな、良い意味で泥臭く、明日は何が起きるか分からないようなワイワイ楽しい、グローバルとローカルのバランス感覚が絶妙な初期というイメージですね。

 

 

 

Googleを退職した経緯について

 

もともと入社当時から、「いつかは自分で事業やりたい」と思っていたので、ちょうどよいタイミングで卒業しました。上司は「いつでもメンバーの意志を尊重する」と公言していた、ベストな上司だったので、手厚くサポートしてもらえました。

起業というとなかなか大変なイメージがまだありますし、実際上手くいかないことも多く大変といえば大変なのですが、自分はその準備としてプチ複業を入社4-5年目くらいから意識的にやっていました。もともとダンスやイベントごとの企画や幹事が好きだったので、ダンススタジオ / イベントスペースを六本木に開いて、友達のご縁で少しずつ定期レッスンやイベントを開催していきました。その中で今の仕事のパートナーと出会ったり、起業に向けての自信が多少ついたり、単純に楽しく素敵な出会いが増えたりと良いことづくめでした。ただ、運営に関しては超絶採算度外視のスタイルでやっているので、ここは今でもギリギリです(笑)。ぜひたくさんの方のご利用お待ちしています! 

https://www.facebook.com/roppongi.d.lab/

また、プチ複業をすることで、自分のリスクに対する感覚や許容度をきちんと把握できたり、大きな組織の庇護の外で、純粋に好きなこと、苦手なこと、出来ること、そして信頼できる仲間を見つけていくということができました。

ちなみにGoogle では競合しない複業はOKだったらしいのですが、人事には報告してくださいという一応のルールだったようです。ここに関しては申し訳ないですが、完全に黙ってやっていました(笑)。実は歴代の上司も薄々気づいていたようでしたが、懐の広い大人力でスルーしてくれていたナイスな方々ばかりでした。ちなみにサラリーマンの複業は節税とも相性がいいのでガチでオススメです。

現在の仕事/取り組み

 

2018年に起業したZAS株式会社では、「人がリアルで集まる場所を最適化する」を掲げ、WEBアプリと実際のイベント運営ノウハウの両軸から展開しています。

これだけテクノロジー全盛期ともいえる時代ですが、勉強会、ランダムなネットワーキング、結婚パーティー、出会いのイベントなどから、WeWorkのようなシェアオフィスまで、「偶発的なリアルの価値」が再認識されてきているように思います。しかし、そういった場所でのコミュ二ケーションが最適化されているかというと課題はかなり多いと感じています。自分も複業でイベントスペースなどを経営していた経験から、自分が切実に欲しかったものという観点でサービスを作っています。

現在はまだβ版的なサービスですが、有り難いことに引き合いも増えてきています。イベント/パーティー企画の会社さんはもちろん、教育機関の方、また実際自分で入居しているシェアオフィス「WeWork」の中でのイベントでも利用してもらい、好評をいただいているので、さらに改良をしつつ、様々なパートナーさんと組んで世の中に新しい価値をつくっていきたいと思っています。このテクノロジー全盛期の時代でも、リアルで人が多く集まるところはグダグダになる、もしくは気疲れしてしまうような状況が多いと思います。それを優しく最適化するという軸で多様で意外なシチュエーションで試していきたいと思っています。

実際いまのところは、やはり男女の出会い的なところに一番強いニーズと根深い課題があるので、そこに結構フォーカスしていますが(笑)。ちなみにここでもアルムナイネットワークがすごく活きました。最近の私が関わっている / SNS投稿しているイベントなどではだいたいこのサービスを使ったりしていますので、もしご興味もたれた方は是非気軽に遊びにいらしてください!

 

Googleとのリレーション/アルムナイ同士のネットワーク

 

信頼できる元同僚から定期的にアドバイスをもらったり、たまにランダムな集まりもあるので参加したりしています。また、社内のサルサダンスの部活を主催していたのでそのつながりや、入社時期が近い同期など、いくつかコミュニティがあるのもありがたいですね。

思い返してみると不思議な事ですが、Googleでは常に新しい部署や小さいチームにいたので、ダイレクトなチームメイトや同僚はあまり多くないのですが、気楽な友人みたいな人のほうが圧倒的に多いんですよね。それは他の会社の友人に話すと結構珍しがられることもあるのですが、Googleらしいかなと思っています。会社の中でも、実際何をしている人かはあまり知らないけれど、趣味部活や気軽なランダムランチ、そのほか社内のボランティアや遊びの企画などで親しくなった『仕事仲間』というよりも、『楽しい知人 / 友人』という人たちに本当によく助けられていますし、人生のなかでの宝だなと思います。

 

古巣Googleへのメッセージ

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自分の人格にも強い影響を与え、高い視座を授けてくれたのがGoogleでした。ビジネスでの倫理観や人を巻き込むビジョン、そして自分自身が「心から仕事が楽しい」と思える体験をさせてくれた環境だったので、感謝してもしきれません。

そして、どこの馬の骨とも知らない自分をたまたま拾ってくれた、前述の最初の上司の方には本当に感謝しています。

ちなみに、当時の採用担当に自分の採用理由について聞いたところ、高校時代に韓国に留学していた経歴をみて、軍隊式の教育で有名だったので、「根性だけはありそうやな」と思って採ってみたとおっしゃっていました。
AI時代だからこそ、これからも根性を大切にしていきます (笑)。

 


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編集後記


アルムナビ編集部
勝倉 直登

なんだか、楽しそうにお仕事をされている
お話させていただいたなかで、私が感じた林さんの印象です。

「ビジネスでの倫理観や人を巻き込むビジョン、そして自分自身が『心から仕事が楽しい』と思える体験をさせてくれた環境だったので、感謝してもしきれません。」
そんな林さんの言葉にあるように、「Google」での心から仕事が楽しいと思えたという体験が、現在の林さんのお仕事のスタンスを彩っているのでしょう。

また、Googleアルムナイは一般的に「Ex-Googler」と呼ばれています。
こちらの記事でも起業家を中心としたEx-Googlerを紹介しているので、ぜひご覧ください!
https://alumnavi.official-alumni.com/archives/883

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