村本彩さんの退職ストーリー:サントリーホールディングスアルムナイ

2019年06月03日

私とサントリーをつなぐ3つのポイント

  • サントリーへの感謝:大きな愛で見守り、思い切って任せてくれる懐の深さ
  • 退職後も活きるサントリーで得たもの:ブランディングという今につながる天職
  • 退職後の関係性:サントリーのファン。アルムナイとして会社の素晴らしさを伝えていきたい。

PROFILE

ブランドプロデューサー

村本 彩 氏

2005年にサントリーホールディングス(株)へ新卒入社し、営業・ブランドマネージャーとして従事。ビール・チューハイ・リキュールなどの新商品開発・マーケティング戦略を経験。商品のスペックだけでは差別化が難しい時代に、商品の強み・個性を際立たせ、売れる商品へと育てあげる。開発した商品は10年間で100以上。
2018年4月に独立し、ブランドプロデューサーとして個人起業家や法人向けにブランディングを中心としたマーケティングのコンサルティングを行っている。

さまざまな企業のアルムナイをその想いとともにご紹介していく企画「アルムナイ・アルバム(ALUbum)」。今回は、サントリーホールディングスアルムナイで、現在はブランドプロデューサーとして独立された村本彩さんにご登場いただきました。

サントリーホールディングス(2005〜2018年)への入社の経緯

大学時代からテレビ東京のWBS(ワールドビジネスサテライト)が大好きで、元々テレビ東京のアナウンサーになりたいと思っていました。しかし、最終面接であえなく不採用となりとても落ち込みましたが、次第にニュースを伝える側ではなくニュースを生み出す側に立ちたいと思うようになりました。「いつかWBSに取材に来てもらえるような面白い商品を作る!」と決意し、メーカー企業を中心に就職活動を行いました。その中でサントリーと出会い、「やってみなはれ」精神が根付き斬新な発想で次々と新しい商品を生み出している点に惹かれました。最初の面接で「あ、私この会社で働くんだ」と直感したことを今でもよく覚えています。

 

これまでに開発してきた商品の数々

 

サントリーホールディングス時代に携わった仕事

20代の頃はRTD部という缶チューハイや缶カクテルを開発する部署で、主に「カクテルカロリ。」というブランドを担当していました。カクテルは商品ラインナップが多く、また季節限定品も毎月のように発売するため怒涛の開発を繰り返す日々でした(笑)。マルチタスクを抜け漏れなくシンプルに進める力はこの頃に養われたように思います。また、デザインの表現の幅がかなり広い商品だったので、固定概念に囚われず斬新なアイデアで沢山のトライをさせていただいたことが今の糧になっています。

その「カクテルカロリ。」で大きなリニューアルを控えた前週に、東日本大震災が起こりました。もちろん発売延期でCMも交通広告も1年半かけて用意してきたものは全て打ち切りになってしまいました。それを悲しいなんて言える状況ではもちろんなく、多くの命が失われ、水や食料など命に関わる生活必需品さえ足りていないという非常事態を目の当たりにして「お酒は誰の役に立っているのだろうか?」と仕事の意義が分からなくなった時がありました。

そんな時、たまたま出稿を止められずに出た唯一の交通広告を見た方がブログにこんな言葉を書いてくれていたのです。

「震災以来、こんなにキラキラした映像や画像を全く見ていなかった。美しいもの、キラキラしたもの、明るいものに触れることで人の心に光が差すこともあるんだな。」

私の仕事で、元気になってくれた人がいたんだ…と涙が出るほど嬉しかった、忘れられないブログです。

お酒はなくても生きていけるけど、お酒がある時間は楽しくて、なくなるとちょっと淋しい。そんな人生が豊かになる時間を提供していくんだと、改めて自分の仕事に誇りを持ち、覚悟が決まった瞬間でした。

 

カクテルスムージー新発売時の記者発表会

サントリーホールディングスを退職した経緯

第1子を出産し育休を経て復職した時に、入社時からずっとやりたいと言い続けていたゼロからの新ブランド立ち上げを任せてもらいました。アルコール度数1%のお酒で、「酔うために飲むのではなく心をほぐすために飲む、忙しい大人のためのお酒」というコンセプトで開発をしました。この商品を開発するためにサントリーに入社したんだ!と思えるくらい想いを持って開発しましたが、販売数が思うように伸びずあっという間に終売に…。

その後も新ブランド開発に携わらせてもらいましたが、もっと視野を広げて自分の引き出しを増やす必要があると感じ、第2子の出産・育休のタイミングで育休インターンなど社外の方と多く関わる機会を作っていきました。そこで出会った方たちは部署異動のように軽やかに転職を繰り返していたり、起業して個人でビジネスをしており、「次はどの部署に行こう?」という社内でのキャリアビジョンしか描いていなかった私にとってはものすごい衝撃でした。

「選択肢は自分が思っているよりもずっと、たくさんあるんだ!」と気づき、そこから一人の女性として、母として、妻としてどうありたいかを考え抜いて散々悩んだ結果、出した結論が「大好きだったサントリーを卒業して個人で働く」という新たな道でした。

サントリーは本当に大好きな会社だったので退職を伝えるときは勇気が出なくて1ヶ

月くらいかかりました。でも誠意を持って伝えたら「散々悩んで決めたんだよね?」「残念だけど、頑張って!」「勇気を持って決断してすごい」と背中を押してくださる方ばかりで、本当に最後まで感謝しかなかったです。

 

Tシャツ当たるキャンペーンに奮闘していた頃

現在の仕事/取り組み

現在は、個人起業家や法人向けにブランディングを中心としたマーケティングのコンサルティングを行っています。

サントリーでブランドマネージャーをやっていた時も本当に仕事が好きで「この仕事は天職だ!」とずっと思っていたのですが、会社を辞める時点ではまさかブランディングの仕事を個人でやってていくとは思っていませんでした。

でも何かに導かれるように形を変えて再びブランディングの仕事をやるようになり、あぁやっぱりこの仕事は天職なのだなと思っています。

個人ビジネスとマスマーケティングでは共通する部分とそうでない部分がありますが、サントリー時代に培った「マスの視点」「お客様視点」が間違いなく今の自分の強みになっています。

「ブランディング」はマーケティングの軸となるものであり、ここに取り組むことでビジネスの成長は大きく変わります。しかし、中小企業や個人ビジネスでは、まだまだブランディングの必要性が知れ渡っていません。

「人もモノもサービスも、生まれたものには必ず意味がある。輝く場所がある。」

という想いを胸に、ブランディングの伝道師となって「もったいない」をなくしていくというのが今の私の使命だと思っています。

自然体のままで「売れる私」に変わる方法とは?

 

サンクチュアリ出版でのブランディングセミナー

サントリーホールディングスとのリレーション/アルムナイ同士のネットワーク

退職後も、先輩や後輩とは定期的に飲んだり遊んだりしています(笑)。久しぶりに会っても以前と変わらずいられることが本当に幸せですし、私の活動をSNSなどで見てくれていて「頑張ってるね!」と声をかけていただけることも励みになっています。

サントリー時代にお世話になった広告代理店の方と現在一緒に仕事をしていたりと、会社だけに留まらずこれまでのネットワークが活きているのも、サントリーという会社がお得意先や取引先とも良好な関係を築いてきたからだと思います。

サントリーの社員は愛社精神が強く、また会社も素晴らしいため、これまでは会社を飛びだす人というのは少数だったと思います。でも人生100年時代においては多様な働き方が求められる中では、今回の私のように会社に不満がなくても卒業するという選択をする人もこれまでより増えてくるかもしれません。

そんな時に、「元サントリー」という肩書きを持った人たちを見て、「サントリーってこんな素敵な人がいたんだ」と思って会社に興味を持ってもらえるような自分でありたいと常に思っています。

先日はサントリーOB・OG会が大規模で初めて開催されました。会社を辞めてもサントリーファンであるということが、サントリーアルムナイの特徴であると感じます。このサントリー愛を持って、アルムナイとしてサントリーの素晴らしさを伝えていきたいです。

 

サンクチュアリ出版でのブランディングセミナー

サントリーホールディングスへのメッセージ

サントリーは思っていた通りの会社で、「これやりたい!」と手を挙げたら「よし、じゃあ任せてみるか!」と本当に沢山の挑戦をさせていただきました。

新ブランド立ち上げでは思うような結果が残せず多額の赤字を出してしまいましたが、そんな時も責めることなく「次も面白い商品開発してよ!」と笑い飛ばしてくださった上司を始め関係部署の皆さん。「ヒットを打つことも大事だけど、バッターボックスに立ち続けることが大事。」と背中を押してくださった先輩。本当に大きな愛で見守り、思い切って任せてくださる懐の深さがすごくて、放牧された馬のように(旧姓が馬場なだけに笑)自由にのびのびと仕事をさせていただき感謝しかありません。

今こうして独立して個人でビジネスができているのも、サントリー時代の経験があってこそです。元サントリアン(サントリーアルムナイ)として、サントリーの魅力を伝えられるように今の仕事を全力で頑張っていきます!

そしていつかまた、違う形でサントリーで仕事ができたら…というのが密かな夢です!

編集後記


アルムナビ編集部
築山 芙弓

サントリーで天職に出会い、会社が大好きで退職の意志を申し出るのに1ヶ月かかったという村本さん。
そんな村本さんだけでなく、辞めてからも「サントリーファン」であるのがサントリーアルムナイの特徴だそう。雇用関係→ファンとなるってとても素敵ですね。

『「サントリーってこんな素敵な人がいたんだ」と思って会社に興味を持ってもらえるような自分でありたい』という言葉から、退職をしても、アルムナイはある意味ではずっとその会社の一員であり続けるのだなと感じさせられました。

▼ALUbum掲載者募集中▼

「私も古巣への愛を語りたい!」 「今の私があるのは前職の経験のおかげ。前職への感謝を伝えたい」 など、古巣への熱い想いを持っている方。 ぜひその想いをこのALUbumで伝えてみませんか?

こちらの応募フォームで、掲載を受け付けておりますのでぜひご応募ください!