円満退職のポイントはただ一つ!退職者を見送った人に聞く、「良い辞め方・悪い辞め方」

2019年06月27日

同僚と話していたら共通の知人がいることが判明した、友達の恋人が高校の同級生だった……。そんな思わぬつながりに「世間は狭いなぁ……」と思ったこと、きっと誰しもあると思います。

「友達の友達を6人たどると世界中の人と繋がる」なんて仮説もあるように、過去に出会った人がこの先どうつながるかは未知数。1社に一生勤め続ける時代が終わり、転職が当たり前になった今、仕事の場で「思わぬつながり」に直面する機会はより増えそうです。

そこで今一度考えたいのが、会社の辞め方。元同僚とどこでどうつながるかがわからないからこそ、最後の印象は大切です。実際に先日行ったアンケートでは、退職後も前職の人たちと良い関係でいるためには「辞め方」が大きく影響することが見えてきました。

 

 「辞め方が原因で、退職者への印象が悪くなってしまった」人が約8割

 

辞め方によって、その後の関係性はどう変わってしまうのか。改めて調査すべく、良い辞め方、不快な辞め方をした人それぞれの中に、現在も交流がある人がいるかを聞いてみました。

 

結果は、「良い辞め方をした人の中に現在も交流がある人がいる」と回答した人が約9割なのに対し、「不快な辞め方をした人の中に現在も交流がある人がいる」と答えたのは4割弱と半分以下

さらに、不快な辞め方をした人がいると答えた人に「辞め方が原因で、退職者への印象が悪くなってしまったことはありますか?」と聞いてみると、およそ8割が「ある」と答えました。


不快な辞め方に共通するのは「仕事への責任感」と「モラル」の欠如

 

では、印象が悪くなってしまうほどの「不快な辞め方」とは、一体どんな辞め方なのでしょう?

 

 

飛び抜けて多かった回答は、「引き継ぎが不十分だったから」(48.1%)、「突然出社しなくなり、そのまま退職してしまったから」(45.7%)の2つ。「たとえ会社を辞めても、手掛けていた仕事自体は今後も続いていく」という意識がないことに、いら立ちを覚えたという人が多くいました。

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「取引先と担当者同士で合意した内容が引き継がれておらず、事実解明に時間と労力がかかった」
「急にいなくなって全部自分でキャッチアップしなきゃいけなかった。手順書も何もないとかやばすきる」
「得意先への巡回を怠り、メーカーとしての信頼を失った」
「料理長という立場でありながら、業者関連に退職する事を伝えていなかった」
「引継ぎ期間が2週間しかなく、結果的にお客様への誠実な対応が不十分であった」
「突然出社せず、メールベースでの高圧的事務的な連絡がきた」
「社内で重要なポジションを任されていたにも関わらず、何も言わずに勝手に退職。引継ぎももちろんできないし、中途半端な状態の仕事をたくさん残していったので腹が立った」

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また、フリー回答では「退職が決まってから仕事の手を抜くようになったから」(27.2%)に関連するエピソードが目立ちました。

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「嘘のアポイントを入れるなど、営業活動を真面目にしていなかったので、何回か上司から叱られていた」
「退職が決まるなり、ミーティングでの発言が投げやりとなり、とても残念でした」
「退職まで3カ月あり、その間かなり手を抜いて仕事をしていて、いらついた」
「明らかにウイニングラン状態に入っており、手を抜いていた。あれは絶対に手を抜いていた」

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これらのエピソードと「引き継ぎが不十分だったから」、「突然出社しなくなり、そのまま退職してしまったから」に共通するのは、「仕事への責任感がない」ということ。それまでどんなに頑張って仕事をしていたとしても、最後に手を抜いたことで印象はガラリと変わります。

もちろん病気や家族の事情、超ブラック企業で正攻法では退職ができないなど、突然辞めざるをえない状況はあるものですが、そういった特別な理由がない限りは「終わりよければ全て良し」を心掛けたいところ。「どうせ辞めるからいいや」と投げやりになるのではなく、きっちりやりきって、心残りのないように最終出社日を迎えることがその後の人間関係の命運を分けそうです。

他に「会社への不満や悪口を言っていると聞いたから」(35.8%)と回答した人も。

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「いざ辞めるとなると、この会社の上の人間は話を聞かない、仕事のやり方が合わない、など悪口を言って辞めていった」「飲み会などで、残るメンバーがいる前で会社の悪口をたくさん言ってモチベーションを下げていた」
「他社員のツールに不正アクセスし、会話を勝手に組み合わせ独自のストーリーを作り上げ、その人が仲の良かった社員へ共有。複数名の退社に繋がった」

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自分にとっては辞める会社であっても、同僚にとっては今後も働く会社。所属しているコミュニティーを悪く言われて、不快に思わない人はいません。それに、度を超えた悪口は人としてのモラルを疑われてしまいかねないもの。つい愚痴をこぼしたくなってしまうことも時にはあるかもしれませんが、そっと心に留めておきましょう。

モラルという点では、他にもこんな声がありました。

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「上司の理不尽なパワハラと働き過ぎによりある日突然来なくなった。相談にのっており、上司への抗議や対応策も一緒に考えていたため何も言わず辞めてほしくなかった」

「他部署に異動した元部下が、最終出勤日に『今日辞めます』と突然あいさつに来た。一緒の部署で仕事していた時期が比較的長かったので、せめてもう少し事前に教えてほしかった。

「辞めるという事を仲が良かったのに、直接聞けなかった」

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お世話になった人、交流が深かった人ほど、退職の報告がないことにショックを受けているよう。報連相は辞める時にも抜かりなく行いましょう。

 

「退職までに現職で何をすべきか」を考えることが「良い辞め方」への第一歩

 

ここまで「不快な辞め方」について見てきましたが、反対に「良い辞め方」とはどんな辞め方なのでしょう?

 

 

「退職する理由に納得感があったから」(62.7%)、「最後まで仕事の手を抜かなかったから」(57.8%)、「会社への好意や感謝の気持ちを感じられたから」(55.9%)の3つが、いずれも半数以上の回答を集めました。

 

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【退職する理由に納得感があったから】
「辞める理由を会社に押し付けず、次のステップに行きたいからと前向きな姿勢を見せてくれた」
「転職理由がポジティブだったため。退職後も会社のメンバーとの関係性が良好で、その人の退職について社内でオープンに話ができている」
「ネガティブな退職理由だったけど、残ってる人も感じてる問題があったので、納得」
「自社ではできない挑戦をするための退職だったので」
「やめる理由が前向きだと、これからもコミュニケーションをとりたいし、応援したいという気持ちが生まれます。正直、100%完璧な引継ぎは無理だし望んでいないので、残された人が納得感もって送り出せるかがポイントかと」
「やりたいことを見つけ、次の人生を歩むためのステップアップとして退職を選んだ。そういう人は最後まで手を抜かず、最後はきちんとお世話になった人に挨拶をしてくれる」

【最後まで仕事の手を抜かなかったから】
「本当にいなくなるのか?と思うくらい、コトに向き合っていた」
「最終出社の最後まで、自身の査定に関係がないにもかかわらず、数字責任を果たしていたから」
「目標をすでに達成しているのに、そこにさらにオンしようとする動きを取り、本当にオンしていたから。
「有給を未消化にもかかわらず、最後まで業務を丁寧に引き継いでくれた」
「仕事をすべてマニュアル化してくれ、他の人がそれを見れば業務ができるような状態にしてくれた」
「後任が決まらない中、十分な引き継ぎが行えるように資料の用意と、営業先への連絡を行なっていた」

【会社への好意や感謝の気持ちを感じられたから】
「10 分くらいスピーチをしてくれて、メンバーのことを本当に考えてくれているのが伝わったから。日頃から頼りにしている素敵な人だったのでショックでしたが、その振る舞いがさらに素敵だと思いました」
「辞める理由がポジティブ(キャリアアップ)で、ずっと会社のファンでいてくれると思った。かつ、会社がもう少しこうだったらというような改善点なども正直にシェアしてくれた」
「自身が持っている知識・ノウハウの共有を積極的に行い、火種となり得る案件は処理をしてから退職をしていった。会社のことが好きでなければここまで丁寧にやらないであろうというクオリティだった」
「退職挨拶の際、業務改善提案のプレゼンをわざわざ資料を作って実施、結果本当に業務が改善した」

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ポジティブな退職理由であることを伝える、最終日まで100%で仕事をする、同僚や会社のことを想って行動する……そんな前向きな姿勢に好感を持っている人がたくさんいました。退職を決めた後はどうしても転職後のことに目が向きがち。だからこそ、意識して「退職までに現職で何をすべきか」を考えることが「良い辞め方」への第一歩となりそうです。

また、古巣の会社が現在の会社の取引先になったり、転職する際に再就職先になったりと、長い仕事人生の中で実利につながる可能性も。それであれば、縁を断ち切るのではなく、関係性を保つ方向に舵を切った方が賢明です。

転職が珍しいことではなくなったということは、言い換えれば、ほとんどの人が一度は「退職」を経験するということ。時にはネガテイブな理由で退職することもあるものですが、「良い辞め方」と「不快な辞め方」の事例を参考に、できる限り円満な退職の方法を探りましょう!

 

文:天野夏海

私たちの想いは、辞め方改革という言葉を通じて
退職で終わらない企業と個人の新しい関係を実現することです。