就活生は退職者の「客観的」で「リアルな意見」を求めている?アンケート結果から考える、“採用コンテンツとしてのアルムナイ”の可能性

2019年10月28日

新卒の売り手市場が続いています。新卒採用の競争が激化する中で、学生からの応募を集め、動機付けをするのに知恵を巡らせている採用担当者も多いのではないでしょうか。

そこで採用コンテンツの新たな可能性を探るべく、就職の本質を考えるキャリア研究サイト「type就活」に登録している大学生・大学院生に「アルムナイ(退職者)」に関する意識調査を実施!

前編では「学生はアルムナイへの取り組みを進めている会社をどう思っているのか」を紹介してきました。
後編では「学生はアルムナイの何に関心を持っているのか」を探ります。

 

元社員の「退職後のキャリア」に関心がある人は約9割

 

入社を希望する、もしくは入社予定の会社の元社員の「退職後のキャリア」に関心があると答えた人は約9割。その理由で最も多かったのは、「その会社での経験が、退職後のキャリアにどう生きているのか気になるから(66.7%)」でした。

就職活動の場面でその会社を退職した先のキャリアについての質問はしずらいものですが、人生100年時代と言われ、転職が当たり前になった今、先々のキャリアまでイメージして就職先を探したいという潜在的なニーズは強いのかもしれません。
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なお、「アルムナイの退職後のキャリア」が魅力的だった場合に、会社への志望度が「上がる」と答えた人は6割以上。「下がる」と答えたのはわずか2.1%であることを考えると、アルムナイの退職後のキャリアを企業が紹介するプラスの効果は大きそうです。

 

 

 

「元社員の退職理由」に関心がある人も約9割

続いて「元社員の退職理由」への関心を聞いてみると、「ある」と回答した人はQ.1と同じく約9割の上りました。その理由としては「その会社に対するリアルな意見が聞けそうだから(74.8%)」に回答が集中。「どういったことが退職理由となりうるのか知りたいから(49.6%)」が続くことからも、学生がよりリアルな情報を求めていることが伺えます。

 

 

元社員が「その会社のことをどう思っているのか」に関心がある人は9割以上

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最後に、元社員が「その会社のことをどう思っているのか」に関心があるかを尋ねました。結果は「ある」を選んだ人が9割以上。こちらも理由として「その会社に対するリアルな意見が聞けそうだから(70.6%)」に最も多くの回答が集まりました。飾らない、等身大の企業の在り方がわかるような情報を求める人は多いようです。

 

 

「元社員が登場する採用イベント」に参加したい人は6割以上

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SNSを通じて個人が発信できるようになり、企業に関する口コミサイトも登場している中で、学生は企業の実情を調べやすくなりました。ただ、検索して探せる情報の質はさまざま。そこには真偽の怪しい情報や、真実のように書かれている虚偽の情報も混ざっています。それならば学生がリアルだと感じるアルムナイの意見を、採用イベントなどの場で公式に発信するのも選択肢の一つになりそうです。

 

 

そこで、「元社員が登場する会社説明会や採用イベントがあったら参加したいか」を聞いてみると、6割以上が「はい」と答えました。聞きたい内容で多かったのは以下の回答。「客観的な視点からの意見」というのがポイントになりそうです。

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「退職して改めて考える、その会社で働くメリットやデメリットを聞きたいです」

「転職先と比較した際の会社の良し悪し」

「その会社が外から見てどのように見えるか」

「人生という高次の観点から働くということを俯瞰的に見た話。その上で、その会社の存在について聞きたい」

「退社後の人からなら客観的な話が聞けそう。また、その会社だけにとどまらない、業界横断的な話やマーケット全体を意識した意見が聞けそうである」

「会社内の様子、仕事の裁量など、リクルートチームがあまり話さない内容を聞きたい」
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「退職者=裏切り者」というスタンスで考えれば、自社の話を退職者にしてもらうのはリスキーです。一方で、退職者を誠実に送り出し、退職後もアルムナイと良好な関係を築けていれば、心配はないはず。良好な関係性にある古巣を公式の場で悪く言うアルムナイはまずいません。むしろ「客観的な視点」で「リアルな意見」を話してくれるアルムナイの存在は、採用活動を行う上で強力な武器にもなり得ます。

アルムナイを採用コンテンツに登場させられるかどうかは、自社の退職者へのスタンス次第。競争が激化する新卒採用市場で戦う武器を増やすためにも、退職者への対応やアルムナイへの取り組みを見直してみてはいかがでしょうか。

 

【アンケート調査概要】
調査方法:就職の本質を考えるキャリア研究サイト『type就活』会員に向けたWebアンケート(「THE世界大学ランキング日本版2019」上位100大学の学生の回答率78.9%)
調査期間:2019年10月2日~10月8日
有効回答者数:141名

 

企画:天野 夏海、築山 芙弓
文 :天野 夏海

私たちの想いは、辞め方改革という言葉を通じて
退職で終わらない企業と個人の新しい関係を実現することです。