【レポート】2018年9月14日開催アルムナイ協会主催セミナー

2018年09月14日(金)に、一般社団法人アルムナイ協会主催「アルムナイセミナー~退職者という原石を財産に アルムナイとともに作る『働き方』の未来~」が開催されました。今回はその模様をレポート。

今回は、「アルムナイという言葉は聞いたことあるけどどんなものか知りたい」「アルムナイという言葉は最近流行っているみたいだし、人事としてトレンドは抑えておこう」といった、アルムナイに関心を持っている人が対象。

アルムナイの基本の「き」を理解してもらうことから始まり、「アルムナイのコンセプトを会社として取り入れることでどのようなことが期待できるのか」「アルムナイ・リレーションを会社に導入するためにはどのようなことが必要になるのか」までをコンパクトにパッケージしたセミナーでした。

今回はアルムナイについて「実際にアルムナイ・リレーションを導入する企業からの視点」と、もう一方の「会社のOB/OGとなるアルムナイの視点」という2つの視点からアルムナイについて解説する形のセミナーとなっており、前半の企業視点パートではアルムナビにも記事を連載していただいる社労士の笠間啓介氏が登壇、後半のアルムナイ視点での解説パートではアルムナビ編集長の勝又啓太が登壇しました。

>>笠間啓介氏の連載はこちら:

企業視点から見たアルムナイ・リレーションシップについて力説する笠間氏

笠間氏のお話では主に企業側から見たアルムナイ・リレーションについてのお話がメインで、用語説明、企業と社員の関係性、退職者の定義などを丁寧に解説されていました。

特に印象的だったのは「アルムナイ・リレーションは、企業とアルムナイ本人だけにメリットをもたらすのではなく、現職社員にも良い影響を与える」ということ。

アルムナイ・リレーションを構築・運用することで、例えば社員面談などでも将来の転職やキャリアビジョンなどを現職社員が安心して話すことができる風土が生まれ、現職社員もその安心感と自己受容感から「この会社にいる間は精いっぱい頑張ろう!」というようなモチベーションアップにつながる側面もあるということです。

「アルムナビ」編集長の肩書も持つ勝又

つづく勝又のパートでは実際に会社の退職者であるアルムナイの視点からのアルムナイとのつながり方、コミュニティ活性化方法について、豊富なコンサルティング実績にもとづくケースを示しながら解説。

ついつい会社の立場だけを考えて、「アルムナイを活用」と言ってしまいがちですが、勝又は「だからこそ『アルムナイファースト』の精神で」と説きます。

いくら「アルムナイが会社にとっての財産」であっても、アルムナイ・リレーションを構築・運用する上ではアルムナイの気持ちを考えなければ、制度が形骸化してコミュニティも活性化せず、終わってしまうわけですね。

勝又が示した上記のスライドで例示されているように、様々なアルムナイがいる中で、いっぱからげではなく、それぞれに合ったものを提供しないと結局アルムナイ・リレーションシップが構築できず、お互いにとって価値が生まれない、つまり、到底 Win-Winの関係は望めません。

とはいえ、十人十色のアルムナイ、それぞれに対して人力で個別対応するのは手間もコストもかかってしまいます。そこで、そんなパーソナライズを実現するためには「HR Tech」のチカラが必要、とまとめていました。その言葉に頷いている参加者の方々も多かったです。私(編集者)も深く頷いていました(笑)

そんなアルムナイファーストの「パーソナライズ」を通した「コミュニティ活性化」を実現している、アルムナイ・リレーション・プラットフォームである「Official-Alumni.com」の機能紹介を行い、本編が終了。

質疑応答では多数の質問が寄せられた。その質問一つ一つに真摯に回答する勝又

この後の質疑応答の時間では「アルムナイの文化が浸透していない中で、実際に人事としてアルムナイ制度を導入するとなった場合何から手をつければいいの?」をはじめとした、実際に導入するとなったうえの具体的な質問が多く寄せられました。

このような質問に対して勝又は「属性を絞って小さく始めたりするテクニカルな部分もあるが、まずは、前例となる成功事例を作ることが大事」と回答。

まずは現職社員が個人ベースでも、自社のアルムナイで何か自社にメリットをもたらすようなアクション(業務委託やリファラル採用など)を行うということです。たしかに、成功事例があれば、「退職者といったい何ができるんだよ!」といった先入観に惑わされたり、机上の空論に終わったりせず、上司や経営陣などにも理解してもらいやすくなるということですね。

今現在、人事業界を中心に「アルムナイ・リレーション」というのは機運が高まっている中、一方で本セミナーにてお二人が話した通り、いざ導入するとなると難しい側面ややらないといけない部分もたくさんあります。アルムナビでは、今後もこのようなセミナーや、ノウハウ、ナレッジについて発信していきます!

編集後記

こんにちは。ハッカズークのマーケティング担当の勝倉です。ハッカズーク初の学生インターンとして勤務し始めてから2週間弱経とうとしています。まだわからないことも多いのですが、毎日が刺激だらけの日々で、幸せ者だなあと思いながら日々過ごしています。

さて、今回のこちらの記事が私が担当した初めての記事だったのですが、いかかだったでしょうか? 読者の方全員にとって理解しやすく、さらにアルムナイに興味を持っていただける記事をこれからも書いていこうと思います。よろしくお願いします。(アルムナビ編集部・勝倉 直登)