自社エンジニアの転職を支援したマネージャーの体験談

※本記事は、筆者が2020年10月7日にZenn に投稿した記事を、一部リライトしたものです。

この記事を一言でいうと、私が責任者を務める事業のエンジニアが、転職を考えていたので、その転職活動がうまくいくよう相談にのり、無事希望する転職ができて喜びあった、という体験談です。

自社の社員の転職を支援するという経験が、個人として貴重な体験だったことと、支援をしながら、もしかしてこれは新しいマネージャーとメンバーの関係なのかもしれない、と感じることがあったので、どんな意図で進めていたのか書き出してみようと思います。

メンバーの退職と向き合うのは、マネージャーにとって重くて大事な仕事だと思います。マネジメントに携わる人にとって、私の経験がお役に立てたら嬉しいです。

自己紹介が遅れました。株式会社groovesで Forkwell 事業の責任者を務めている赤川と申します(私のポートフォリオ)。#InfraStudy や #DataEngineeringStudy の主催をしておりますので、そこで知っていただいた方もいるかもしれません。

どんな経緯があったのか?

この夏に、長らく共に働いてきたチームのエンジニア(以降、Aさんと呼びます)から、転職を考えていると相談がありました。話しをする中で、Aさんのキャリアにとって転職という選択肢は悪くないと考えたため、Aさんの希望も合って継続的に支援をすることになりました。

どのような支援をしたのか?

転職候補となっている企業に対して、業界、事業モデル、資本形態、事業フェーズなどの観点から助言を行いました。またそれらの会社に転職して得られた経験がどんな「次」につながるかも伝えました。
加えて、私のつながりのある企業に対して選考を受けたいか確認し、その企業のCTOに面談を依頼しました。結果、選考に進むことになり、内定が出た企業もありました。
Aさんが最終選考を終えた企業から、リファレンスチェックを依頼されることもあったため、Aさんの勤務姿勢、チームでの振る舞いなどについて、実際にあった出来事とともに推薦をしました(だいぶ熱量高い文章になってしまいました)。こちらも無事内定が出たようです。

なぜ、転職先の紹介をしたのか?

Aさんにエンジニアとして良いキャリアを歩んでほしいという気持ちが強かったからです。
3年前に、同じくチームを退職するメンバーに推薦したブログの中に、以下のような一文を書きました。

エンジニアの成長・キャリアアップを応援する Forkwell を運営している会社が、自社のエンジニアのキャリアアップや転職を応援しないのは嘘になるので、感謝をこめて送り出したい。
なぜ grooves はフレックスでの深夜勤務を認めることができなかったか?より

この気持は今も変わっていません。
だから、転職を相談された時に、支援するという意思決定は、自然でした。

また、冒頭でも書いたように、これからのマネージャーとメンバーの関係の、新しいカタチになるかもしれないという好奇心が私をモチベートしていました。
Aさんのキャリアに関する要望を聞いた上で、それが実現できそうな企業を紹介しました。

退職しないように引き止めはおこなったか?

引き止めました。Aさんが残った場合にどのようなキャリアがあり得るのか、groovesとして内定を提示する際のオファー面談のような気持ちで臨みました。率直に残ってほしい、一緒に働き続けたい、こんな未来を実現したい、という気持ちも伝えました。そのうえでAさんが行った判断なので、尊重します。

Aさんはどのような方法で転職したのか?

複数の転職サービス、知人紹介を駆使して、転職先を探していました。
どの経路でも内定が複数出て、かなり悩んだようです。
最終的には、エンジニアとして経験したいキャリアと、会社のカルチャー、プロダクトで選択したそうです。

内定条件は聞いたか?

教えてくれました。その評価に対して、市場的に高いのか低いのか、また就業環境や、内定通知書に書かれる細かな就業規則についていも、確認漏れがないようフィードバックしています。
Aさんの場合、現年収より驚くほど高いオファーを出した企業もありました。極端に高い年収が提示されると、転職時に何を実現したかったのかを忘れやすくなりますので、もともと今回の転職では年収の優先度が低いとのことだったので、冷静になろうとアドバイスしたこともありました。

他の社員は、マネージャーがメンバーの転職活動を支援していることを知っていたか?

いいえ、Aさんが転職活動中であることは、他のメンバーには伝えていませんでした。
ですので、Aさんの転職をマネージャーが支援していたということを、この投稿でどのように受け止められるのか、不安はあります。
ただ、私のスタンスを示すには良いことだと思い、Aさんに了承を得て公開することにしました。
これをきっかけに私のもとに転職相談が殺到しなければよいのですが。

なお、本件は企業の利益に反する行為という見方もできるため、弊社の経営陣と人事部にだけは、事前に私がそのように振る舞うことを報告していましたが、快く了承してくれました。
groovesという会社からは、この手のことでノーと言われたことがないので、気に入っています。

他の社員があなたに相談したら同様の対応ができるか?

私のことを信頼してくれるのであれば、できる限りのことはします。もちろん grooves に残る選択肢も提案します。

過去に同様の事例はあるか?

キャリア相談に乗ることは頻繁にあります。転職活動に対してアドバイスすることもあります。
相談に乗った結果、転職先の紹介までしたのは今回が初めてです。

社員の転職を支援することは、企業にとってのメリットはあるか?

わかりやすいメリットは、前倒しで採用計画が立てられることです。ある日突然呼び出されて1ヶ月後に退職します、みたいなことがなく、採用活動を前もって進めることが可能です。

他にも、
・自社の社員がどのような条件で他社からオファーを提示されるか、解像度があがり、自社の採用計画や評価制度を考えるうえで重宝する
・自社の社員の退職理由がクリアになり、社内でエンジニアがキャリアを形成するために必要なことが明らかになる
といったメリットもあります。

これまでのところ、エンジニア・デザイナーからある日突然退職日を告げられる、という経験がありません。
どちらかというと、1on1などを通じて前もって転職への関心を伝えられることがほとんどです。

そのまま転職に至ることもありますし、残ってくれることもあります。
エンジニア・デザイナーは、前もって伝えてくれる人が多いのかな、と思って社外の方と話すと、私のほうが希少なようで、良いメンバーに恵まれていることに感謝しかありません。

Aさんへ一言

まずはこの記事を公開することを承諾いただき、ありがとうございます。
Aさんが転職することに寂しい気持ちがある一方、一度は上司部下だった関係から、素の友人になれることが嬉しくもあります。
狭い業界なので、どこかで一緒に働く日がくるかもしれません。今度は私がAさんの部下になるかもしれません。
「働く」という価値観は私たちの想像を超えた速さで変化していますので、またAさんと違った関係で働けることを楽しみにしています。
そのいつかが来るまで、個人としてもっと成長しておきたい、と思います。

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最後に2つ宣伝です。

エンジニアを採用しています

私が所属する株式会社groovesでは、フルリモート環境下で働けるエンジニアを募集しています。

現在募集中なのは以下の2職種です。

【Rails/フルリモート】Forkwell を運営する grooves がHRTechプラットフォーム「Crowd Agent」を開発するエンジニアを募集!

【AWS/フルリモート】Forkwell を運営するgroovesがHRTechプラットフォーム「Crowd Agent」を開発するアプリもやりたいインフラエンジニアを募集!

エンジニアの転職サービスを運営しています

Forkwell(フォークウェル)では、「つくり手と、未来を拓く。」という想いのもと、エンジニアのための転職サービス  Forkwell Jobs を運営しています。

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それでは。

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